不動産鑑定とは、ある時点の不動産価格を判定し、なぜその価格になったのかという理由を説明することです。この不動産鑑定は、「不動産鑑定評価基準」で方法が決まっています。不動産鑑定評価基準に沿って不動産鑑定評価を行い、これを書類化したものを不動産鑑定評価書といいます。

一般の人々にとっては、不動産の適正な価格がいくらかとういことを取引価格等を通じて判断することは困難な場合が多いのです。このため、不動産の適正な価格については、専門家としての不動産鑑定士の鑑定評価活動が必要になります。

では、不動産鑑定では、なぜその価格になったかをどのように説明するのでしょう。

例えば土地の価格について。

まず、市場性についてどのぐらいで取引されているのかということを考えます。実際に土地が取引された時の土地価格がわかる取引事例という資料から、地域性、大きさ、土地の形、取引時点などを取引事例と比較することによって、対象土地の価格を求めます。

また、その土地からどのくらいの収益が上がるかといことを考えます。土地の上に賃貸マンションを想定して、入ってくる家賃などの収益から、建物が稼いだ部分を控除して残った部分、これが土地が稼いだ収益になるが、この収益から土地価格を求めます。

面積が大きな土地で、周辺に戸建て住宅が建ち並んでいる場合、又は、周辺に分譲マンションが見られる場合には、開発することを想定し、開発素地としての価格を考えることもあります。

もちろん、土地によっては、取引事例と比較する方法しか採用できない場合がありますが、通常は、いくつかの側面から土地の価格を検討し、最終的な価格、鑑定評価額を判定します。